一般財団法人日本色彩研究所
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理事長挨拶

理事長 赤木 重文

                     新任挨拶

写真 このたび、小松原前理事長の後任として日本色彩研究所の理事長に就任いたしました。一言ご挨拶を申し上げます。
 日本色彩研究所の前身である日本標準色協会が故和田三造画伯によって設立されたのが1927年ですから、あと5年で創立100年を迎えることになります。その間1945年に財団法人日本色彩研究所として改組、さらに法人法の改正によって、2011年に一般財団法人に移行しています。
 初期の定款で定められた「目的」や「目的を達成するために行う事業」については、現在も大きく変わることはありませんが、具体的な業務内容を振り返ってみると、時代とともに大きく変化しています。私たちの受託研究業務は、企業や行政また教育界のニーズを受けてのこととなりますので、業務内容の変化はとりもなおさず社会的ニーズの変化に他なりません。
 <産業ニーズ>
 弊所は当初から多分野の専門家が集まって、研究業務を行ってまいりました。これまでその結果の多くは分野別研究の成果として結実してきましたが、最近は分野の枠を超えてプロジェクトを組む案件が多くなっています。それは特に企業案件に多く見られ、製品製造においてこれまで各工程のバトンタッチで進められてきましたが、近年はこの一連の流れは部署の垣根を超えたプロジェクトとして取り組む事例が増えてきたようです。求められるソリューションに対して、私たちも分野の枠を超えたプロジェクトチームで臨むケースが多くなり、新たな手法開発につながっています。
 <教育ニーズ>
 色彩を通した学校教育支援も設立当初から取り組んできたジャンルの一つですが、今、新型コロナウイルス蔓延という事態に遭遇し、これに対応する教育システムやツール開発が求められています。私たちはオンデマンドに対応する色彩教材の開発に力を入れて、コロナ禍沈静化のあとも、新しいタイプの教材として継続発展していけるものを目指しています。
 <社会文化的ニーズ>
 さらに、教育や企業活動の今日的テーマとして、国連サミットで採択し世界に向けて発信されている「持続可能な開発のための2030アジェンダ」があり、そこにあげられた開発目標(SDGs)には未来に向けて私たちが取り組むべき課題が示されています。この流れを受けて企業・教育界の活動も変革の兆しが出ています。
 色は人の感情を誘発する働きがあり、その効果は時代の文化や慣習を反映します。色から派生するイメージはときに社会の構造や有り様と結びつき、その社会に都合のよいカタチで記号化されていきます。おんな色やおとこ色のようにジェンダーにつながる問題として現れる場合もあります。この記号化によって自分の意に反してそのイメージの体現を強要されことも少なくありません。この事例は色がSDGsの取り組みに関係があることを示しています。

 ここ数年の間に表れてきた社会的ニーズをジャンル別に取り上げ、それぞれに取り組みの決意を述べさせて頂きました。創立100年を迎えるにあたって、これまで諸先輩が築き上げてきた数々の成果を整理しながら、新たな課題に対してより具体的なソリューションの発信を目指してまいります。

皆様のご理解とご支援を賜りますよう、今後ともよろしくお願い申し上げます。
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