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 トップページ色の広場機関誌COLOR測色試料INDEX>ペン用調色インク

<測色資料> ペン用調色インク

COLOR No.174掲載

 近年、動画サイトが流行っており様々な動画がアップされている。その中にインクを調合してオリジナル色のペンを作るというものがあった。調べてみると「文房具屋さん大賞」なる賞を取ったインクキットが販売されていた。今回はペン用のインクセットを2種測定してみた。インクは紙などに塗って乾燥後の色を評価すべきであるが紙や塗布量に依存するためインク液の色を光路長10mmのセルを用いて、D65光源2度視野で透過率測定をした。試料は文具メーカーから販売されている空ペンや調合カップなどが含まれるセット商品のインクと100均ショップで販売されていたインクのみのセットの2種とした。各セットともインクはシアン、マゼンタ、イエロー、グレイの4色(ではあるがシアンをブルー、マゼンタをピンクと称していた)と無色の5色が含まれていた。無色インクはペンに充填して使用する特性を維持する為のインク液と考え今回は使用せず水で希釈した。測定はインクを薄めた際の色の変化を見るため各インク原液を徐々に薄めながら測定した。色変化の軌跡をとることを目的としたため希釈の比率は厳密としなかった。
 測定結果を図1,2,3に示す。図1は色濃度の変化を見るL*-C*図でうすめた際の明度L*の変化と鮮やかさC*の変化がよくわかる。偶然の一致かPinkインクとYellowインクの原液の座標こそ異なるが、2社の軌跡が全く同じであった。図2は色みの変化を見るためのa*-b*色度図で薄めた際の色相の変化がよくわかる。各インクともに希釈によって大きく色相が動くことが判る。Yインクは原液がオレンジ色で薄めることによって黄色となる。Pインクは原液が赤色で希釈によって次第に赤紫にとなる。Bインクは原液が濃紫で薄めると紫となりさらに希釈すると青味が増しシアン色となる。2社の違いをみると原液の濃度がGインクとBインクは同じであったがYインクとPインクは異なった(D社が薄い。図1の点線部分)。図3は分光反射率分布で曲線の違いから原色材の違いを推定できるが曲線形状が全く同じであることから2社の原色材は同一と推定できる。2社のインク特性がこれほど一致しているとは想像外だった。
 好みの色のインク色を作るには透明インクを含めた5色のインクを適宜混合するわけだが、説明書などを見ると希釈無しが基本と思われる。ペンに入れるには濃色が適しているのだろう。濃色での調色は難易度が高いと思うしペンにして文字を書いた時の色の出具合もあり、一度で目的の色を作るのは難しいだろう。しかしインク量は十分にあり、十分に堪能出来るキットに思える。


図1 L*-C*図

図2 a*-b*図

図3 分光反射率


〈小林 信治・前川 太一〉

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