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<研究2部報> CIELAB表色系とマンセル表色系における色の許容設定のちがい

COLOR No.168掲載

 製品の色管理では、デザインや製造で異なる表色系がよく使用される。
 デザイン現場はマンセル表色系などの色見本で色彩設計を行い目標色を設定するのが分かりやすいし、製造現場は色管理上のデファクトスタンダードであるCIELAB表色系で目標色と製品色を測定し色差による合否判定を行うのが一般的である。異なる表色系利用の問題について、それぞれの等明度面で比較を行ってみた。
 図1・図2の点線はマンセルグリッドであり、交差点上にマンセルの基準値が存在し、基準値とのCIELAB表色系による色差1の範囲円を図1に表示した。図1はCIELAB表色系のa*−b*平面であり、交差点上の円は『全て同一半径の等しい円』である。今回は許容設定としてCIELAB表色系の色差1の範囲円にした。これをマンセル表色系の極座標表示に変換すると偏平した楕円形状として図2のように示され、等色相線や等彩度線の位置による傾向が見られる。例えば、図2の色差1の範囲円を示す楕円は、等色相線5R上では高彩度側でP方向・低彩度側でY方向に傾くことから彩度方向に依存した色相方向の違いが、等色相線5Gの両隣の2.5Gと7.5Gを等彩度線方向の幅で比較すると2.5Gの方が『CIELAB表色系で同一色差の色再現を行う場合』には色相の許容幅が狭くなるのが分かる。
 今回は、CIELAB表色系の色差を基準にマンセル表色系での色の許容差について見たが、逆にマンセル表色系の色相差・明度差・彩度差を基準にCIELAB表色系でも見ることもできる。表色系はそれぞれ特徴が異なるので色の許容設定は気をつけなければならない。


図1 マンセル表色系の基準値のCIELABによる色差1の範囲円(明度5)


図2 CIELABによる図1の色差1の範囲円からマンセル表色系の極座標表示への変換(明度5)

〈那須野 信行〉

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