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<研究2部報> 測色値による等級の推定

COLOR No.167掲載

 以前(COLOR156)にしょうゆの色を紹介した際に、しょうゆには「こいくち」、「うすくち」、「たまり」、「さいしこみ」、「しろ」の5種類の分類があり、「しょうゆの標準色」なる標準色見本によって、2番から56番までの色見本と比較して色番号を判定することになっていることを紹介した。
 このように、標準色見本と較べながら分類や等級付けをするものが多くある。たとえば、PH試験紙や石油製品の色試験(JIS K0071)に規定されるセーボルト色試験やASTM色試験などである。
 しょうゆを例にして測色値から色番号を求めてみよう。
 JAS規格には以下の3つの色番号について反射色としてCIELAB値が規定されている。

表1 しょうゆの標準色の規定値(JAS)とC*H°
色番号 L* a* b* C* H°
18番 30.0 46.1 51.6 69.2 48.2
22番 36.7 45.6 62.9 77.7 54.1
46番 76.7 12.5 81.9 82.8 81.3

 測定したしょうゆは、スーパーで購入した「こいくち」、「うすくち」、「さいしこみ」の3種。測定は日本電色工業製分光色彩計SD6000により、光路10nmmのセルを用いて分光透過率を測定し、C 光源2度視野にてCIELAB値を求めた。CIELAB値は反射色用の表記方法であるが、JAS規格を引用したために敢えて用いた。

表2 測定結果
  L* a* b* C* H°
うすくち 45.9 38.2 73.9 83.2 62.7
こいくち 24.5 42.5 38.6 57.4 42.2
さいしこみ 4.4 20.8 5.7 21.6 15.3
 

 ここで色番号の推定にはどの測色値が良いだろうか?a*b*図を見ると標準色も試料も同じ軌跡上にあり、標準色のL*値は色番号と直線関係にあることが判る。試料の色が標準色の色の流れに乗っていることが判る。しかし、a*では回帰線の曲がりが大きくなって推定が難しい。b*C*H°は回帰線を引くと色番号が推定でき、図上からは推定値はほぼ一致するが、厳密にはそれぞれ多少異なる。どの測色値を使うかとあわせて回帰線を引くための標準色の数や回帰線引き方が問題になることが分かる。

図1 a*b* 図2 測色値L*と色番号
図3 測色値a*と色番号 図4 測色値b*と色番号
図5 測色値C*と色番号 図6 測色値H°と色番号

〈小林 信治〉

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