一般財団法人日本色彩研究所
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<巻頭言> 日本色彩研究所とJISとの関わり

COLOR No.163掲載

一般財団法人日本色彩研究所理事 小林 信治 

 JIS規格の中には色彩に関わる規格が多数あります。JIS Z8102「物体色の色名」やZ8701などの「色の表示」に関する規格はもとより様々な試験方法や消費者に身近な文房具、鉄道や航空機の安全に関わるもの、顔料やインキ、プラスチックや石油などの化学製品、紙の試験方法、また高齢者や障害者向けの視認性を向上させる指針など様々な分野に及びます。当研究所ではこれらのすべてでは無いけれども多くの規格に関わってきました。
 関わり方の一つは、目視評価に欠かす事の出来ないいわば色の物差しである標準試料の製作です。「JIS Z 8721準拠 JIS標準色票 光沢版(第9版)」は2,141色分(重複を含める)に及ぶ色チップを所定の精度内に納めつつなめらかに色が変化するように製作されます。「JIS L 0804準拠 変退色用グレースケール」と「JIS L 0805準拠 汚染用グレースケール」は微小色差を精度良く色作りし、さらに高精度に隣接貼り合わせするといった特殊な加工が施されます。ほかに JIS Z 8102準拠 JIS色名帳[第2版]」や「JIS A 1105準拠 色見本(みかん色)」などの製作も手がけています。標準試料は長年にわたり安定して供給する事が必要ですが、原材料の供給や製作技術の継承など難しい問題を抱えつつの継続となっています。長年継続的に使用してきた原材料が技術進化に伴い旧式の原材料として次第に製造中止になっていきます。10数年ほど前には色材として用いる塗料の無鉛化に伴い色域が狭まるという事態が起きましたが一部を除いて代替塗料を見つける事が出来ました。またグレースケールの表面に用いる樹脂フィルムも廃番となりましたが紆余曲折の末代替品を見つける事も出来ました。最近では色比較に用いる灰色マスクの素材が廃番となり、多くのチェックをくぐり抜けた新しい素材に変更となりました。一方、製作技術の継承については作業員の高齢化に伴う途絶の危機がある反面、若手による新たな創意工夫を盛り込み新たな展開に進むといった明るい面もあり今後に期待が出来ます。
 二つ目の関わり方は、原案作成に関わるものです。JIS規格は仕様や検査方法の統一により品質の改善、生産能率の増進、生産の合理化、取引の単純公正化などを目的として国内事情中心に規格作りが行われてきました。そうした規格は原案作成委員会によって検討・審議され作られていきます。当研究所ではそうした委員会に委員を派遣しよりよい規格作りを支援してきました。最近では国際化の流れからJIS規格に対応するISO規格などに整合させる動きがあります。そこには国際規格を丸ごと採用したIdentical (IDT)、国際規格の一部を国内事情に合わせたModified (MOD)、国内事情独自のNot equivalent (NEQ)があり、国際化の要求の強い規格ではIDTとMODのせめぎあいになることがあります。そうしたことから、国際規格自体に日本の意見を取り込ませる動きもあります。2010年度から取り組んできた「忠実性による光源の演色性評価方法に関する研究」の成果はCIE TC1-90に報告され、将来の「Z8726 光源の演色評価方法」に対応する国際規格に反映される事が期待されます。
 当研究所ではJIS規格との関わりを公益性の強い事業として今後も重要視していきたいと考えています。

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