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<研究1部報> 日韓中の大学生が想起する色名(2)

COLOR No.146掲載

前号No.145に引き続き、2004年夏に日本、韓国、中国の大学生,計1,336名に実施した「色名想起調査」(思いついた色名を10分間記入するというもの)から得られた結果について、いくつかをご紹介しましょう。

【回答上位の色名傾向】

多くの学生により想起された色名をみると、いずれの国においても、11の基本色彩語(白黒赤緑黄青,ピンク,オレンジ,茶,紫,灰)に対応する色名が上位にありました。やはり、色の世界においてこれらの色名を用いた分類は重要だということの表れだと思います。分化の最終段階の基本色彩語がすべて出揃っていることから、三国共に色名は進化した段階にあるといってよいでしょう。
他に、基本色彩語ではないけれども黄緑に対応する色名が3ヶ国のいずれにおいても6位と上位にあることや、基本色彩語の最終段階にならないと登場しない紫という色名を答えた学生が三国共に非常に多かったことは興味深いところです。

【色名が示す色の分布】

おのおのの色名が指し示す代表的な色を、日中間の色彩専門家にJIS色名帳の色票の中から選んでもらいました。多くの色名を持つ色域は、その分化、時代において重要な色だと考え比較してみようというわけです。三国に共通した傾向として、赤系と濃い青の色名が数多くみられました。
一方、日本に特徴的なのは、鮮やかな色と、黄土色を初めとする中間色調や灰色の系統の色が多かった点を上げることが出来ます(下表参照)。一方、韓国では、濃い色・暗い色といったシェード系のものが多い傾向がみられるました。中国では鮮やかな赤とシェード系の赤が多いことが最大の特徴で、赤が大事にされているという印象を受けました。 (研究第1部 名取和幸)

想起色名に対応する色のトーン別% (上位200色)
国/トーン very
pale
pale light vivid strong deep dark very
dark
日 本 2.2 3.8 9.3 29.7 4.4 7.7 9.9 2.2
韓 国 2.9 5.8 10.7 21.8 4.9 20.4 12.6 6.8
中 国 5.5 4.0 9.5 21.5 5.5 17.5 9.0 7.0
国/トーン light
grayish
grayish dark
grayish
soft dull White Gray Black
日 本 1.6 0.5 2.7 3.8 7.7 3.8 7.1 3.3
韓 国 1.0 0.0 1.5 0.0 1.5 2.9 5.3 1.9
中 国 0.5 1.0 2.0 0.5 3.5 5.5 5.5 2.0

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