理事長 近江 源太郎

わが国では、2008年に公益法人制度改革関連の法案が施行され、既存の財団法人や社団法人の全てが改めて申請し直すことを求められました。
我々が選び得る範囲は広く、解散はさておくとしてNPO、株式会社、公益財団法人、一般財団法人など幾つかの選択が可能でした。当法人としては、一般財団法人としての道を選び、申請して、認可されました。
これまでは文部科学省の監督下にありましたが、今後は監督官庁がなくなります。また、公益事業の他に収益事業も自由になります。法人の基本となる規則も従来の寄付行為から株式会社などと同じ定款になりました。とはいえ、剰余金を社員や役員に分配することはできません。ある意味では、従来にまして行動の自由を得たわけですから、これを有効に生かす限りにおいて, 社会からの要請と、法人の主体的な意思とによって、意欲的な事業展開が可能になり、多様な活動の道が開けたと考えるべきです。
当研究所は1927年創立、1945年に財団法人としての認可を受けたという長い歴史を継承しています。新定款では、従来の寄附行為の基本を踏襲し、この機会に不備を補い、より現実的に、簡素化し、柔軟に時代に対処できる形式を整えました。法人の目的および事業も基本的に継承しました。これは、設立当時の目的、事業内容が先見性に富んだものであった証左といえましょう。ただ、事業項目として、新たに「色彩文化の進展および快適環境形成に関する調査研究」を追加しました。従来もこれに該当する事業は行ってきたわけですが、今日では文化や生活、いわば文化科学的視点が強く要請されていると認識したからです。
小規模な法人ですが、求められる書類の整備は厖大でした。これを、特に外部の専門家の協力を乞うこともなく、研究を業としてきた職員の尽力によって達成したことを頼もしく思っています。
我々は、先人の志を継承しつつ、さらに視野を広くもって、自律して積極的に、社会における問題解決に貢献してゆく所存です。今後とも、皆様のご理解、ご指導、ご援助を賜りますようにお願いする次第です。